世界チャンピオンの座にフォーシーズンズ・ジンバランベイの青木裕介シェフ
受賞デザートはリゾートメニューで紹介:青木シェフの自家製オーガニックバリチョコレート
2018年11月12日−ニューヨークで行われたヴァローナ社主催のチョコレートシェフコンペティション(C3)では、緊張感に包まれ た5時間にわたる公開審査の末、Four Seasons Resort Bali at Jimbaran Bayの青木裕介エグゼクティブペストリーシェフが世界チャンピオンの栄冠を手にした。
10月22日に開催された2018年度ヴァローナC3の世界ファイナルにおいて、アジア代表の青木シェフは唯一のホテルシェフとして参加、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中東から参加したトップレストランのペストリーシェフたちと対戦した。自身の故郷をモチーフとした青木シェフの作品「サムライ」は、ニアンボ68%のヴァローナチョコレートにシナモンと昆布のアイスクリーム、赤ワインとイチジクのコンフィチュール、イチジクに山椒のピリッとした風味をペアリングした実に衝撃的な作品だ。
サロンカリナリーコンクール2018にてインドネシアのベストペストリーシェフを受賞、ヴァローナC3アジア地区予選で優勝し、アジア代表に選出された後、青木シェフは3か月後に控えたワールドファイナルに向けて余念なく準備を進めてきた。技術、風味、プレゼンテーションの全てにおいて完璧を求めた試作は実に50品以上。フレンチのなかに和のテイストを融合した作品は、オリジナリティあふれる、エレガントでいながらも力強さが感じられるデザインとなっている。今回の受賞作品サムライは、リゾート内の洗練されたビーチクラブ&レストラン Sundaraにて用意され、世界最高のチョコレートデザートを楽しむ上質の時間をゲストに提供する。
今年はじめ、地域ごとに厳しい選考の末選ばれたファイナリストのシェフたちは、ニューヨークのブルックリンを舞台としたC3ワールドファイナルへ結集。多くの観客が見守る公開審査会場で、ヴァローナ製品を使ったプレデザートプレート10品、ヴァローナの68%ニアンボガーナチョコレートを使用したメインデザートプレート10品を、制限時間5時間で作成する課題に挑んだ。著名シェフ10名が審査員を務める選考では、衛生面や手配、ストレス対策や全体的な姿勢などが細かく評価された後、最終試食審査へと臨む。
「自分自身に挑戦するために今回、このコンペティションに臨みました」と青木シェフ。「5時間以上にわたる審査では、多くの観客に囲まれ、作業中に審査員たちが歩き回って作業工程を随時チェックするなど、通常とは違うプレッシャーがあります。こうした中での重圧やストレスが、自分自身を強くしてくれると感じています」
Four Seasons Jimbaran Bayに勤務するために2017年にインドネシアへ移住、才能あふれる日本人シェフの創造性はチョコレートにとどまらず挑戦を続ける。オープンキッチンをコンセプトにしたTaman Wantilan レストランでは新たに温度管理されたパティスリーをオープン、繊細なフレンチクラシックにバリの雰囲気を散りばめた多彩なセレクションを紹介し、ゲストに自らこだわりのスイーツを提供する。なかでもバリ産のシナモンやクローブを使った洋ナシのタルト、ココナッツとマンゴーのムースケーキは絶品だ。けれども青木シェフにとって、チョコレートへの愛情は常に絶対である。Sundaraのアラカルトチョコレートデザートにはヴァローナしか使わない、というこだわりがある。
チョコレートを愛してやまない青木シェフの次なるチャレンジとは何だろうか?「実は自分自身で、自家製64%のオーガニックバリチョコレートの完成に取り組んでいるところです」とは青木シェフ。バリ高地にある家庭菜園オーガニックのカカオ豆を当ホテルの厨房で焙煎、調合しメランジャーを利用しチョコレートとして仕上げるという。世界一のチョコレートシェフが自ら作り上げる、極上チョコレートに出会える日はそう遠くないだろう。
Four Seasons Resorts Baliにとって、青木シェフの優勝は今年2度目に舞い込んだ快挙である。姉妹リゾートであるFour Seasons Resort Bali at Sayanが、2018トラベル+レジャー誌の読者アワードにて2018年度ワールドベストホテル第一位を受賞したのは記憶に新しい。